海外駐在におけるマインドセット ~Alco President~

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弁理士 短答 H28 特許5〜7

【特許・実用新案】5 *213
特許法に規定する審決等に対する訴えに関し、次の(イ)~(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。

(イ) 特許異議の申立てについて特許の取消しの理由の通知を受けた特許権者は、審判長が指定した期間内に限り、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求することができるが、この訂正の請求書の却下の決定に対して、訴えを提起することはできない。
× 120の5第2項:前半は正しい。
 ただ取消決定又は審決に対する訴え及特許異議申立書、審判若しくは最新の請求書又は120条の5第2項若しくは特134条の2第1項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、特許高等裁判所の専属管轄とする(178条1項)。よって後半は×

(ロ) 特許無効審判の特許を無効にすべき旨の審決に対する訴えにおいては、その審判の請求人を被告としなければならないが、特許を無効にすべき旨の確定審決に対する再審の審決に対する訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。
× 179条
 請求人又は被請求人を被告としなければならない。

(ハ) 特許庁長官は、延長登録無効審判の審決に対する訴えの提起があったときは、裁判所から意見を求められた場合に限り、当該事件に関する特許法の適用その他の必要な事項について意見を述べることができる。
× 180条の2第2項
 特許庁長官は、特179条ただし書に規定する訴えの提起があったときは、裁判所の許可を得て、裁判所に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について、意見を述べることができる。
 よって、許可を得れば、いつでも意見を述べることができる。

(ニ) 拒絶査定不服審判の審決に対する訴えにおいて、特許出願に係る発明は、特許出願前に頒布された刊行物Aに記載された発明イと同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により、当該特許出願は拒絶すべきものである、とした審決を取り消す旨の判決が確定した。その場合、審判官が、更に審理を行い、審決をするときは、刊行物Aに記載された発明イと同一であることを理由として、先の審決と同一の結論の審決をすることはできない。
○ 行政事件訴訟法33条1項
 処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する旨が規定されている。 
 すでに記載の審決を取り消す旨の判決が確定しているため、先の審決と同一の結論の審決をすることができない。
 (審決で特許を取り消すとしているのに、同じ理由で権利継続はできない。)

(ホ) 特許無効審判に参加を申請してその申請を拒否された者は、参加の申請についての決定に対して、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
○ 149条5項
 参加の申請についての決定に対してはいかなる不服申し立てをすることもできない。
 
 五項は決定又は不作為に対して不服を申し立てることができない旨を規定したものであるが、その理由は、参加の許否の決定又は不作為自体について争わしめることはいたずらに審判手続を遅延せしめることになり、しかも参加申請人は当該審判の審決に不服がない場合は参加申請についての決定又は不作為について争う利益もないので、一七八条二項に規定するように参加申請を拒否されて当該審判の審決に不服な者は、審決に対して訴えを提起することができることとし、本条五項に規定するように参加申請についての決定又は不作為自体に対しては不服を申し立てることができないものとしたのである。


【特許・実用新案】6 *87
特許法に規定する明細書等の補正に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、特に文中に記載した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願又は実用新案登録に基づく特許出願ではないものとする。
また、以下において、「最初の拒絶理由通知」とは、特許法第17条の2第1項第1号に規定する「最初に受けた」拒絶理由通知をいい、「最後の拒絶理由通知」とは、特許法第17条の2第1項第3号に規定する「最後に受けた」拒絶理由通知をいうものとする。

1 最初の拒絶理由通知と共に特許法第50条の2の規定による通知(既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知)を受けた場合において、特許法第50条の規定により指定された期間内にする特許請求の範囲についての補正は、特許法第17条の2第3項の規定(いわゆる新規事項の追加の禁止)に加えて、同条第4項の規定(発明の特別な技術的特徴を変更する補正の禁止)に反するものでない限り認められる。
× 17条の2第5項、6項

2 外国語書面出願の出願人は、外国語書面についての誤記の訂正を目的とする場合には、外国語書面の補正をすることができる。
× 17条2項
 36条の2第2項の外国語書面出願の出願人は、17条1項本文の規定にかかわらず、同条1項の外国語書面及び外国語要約書面について補正をすることができない。
 二項は、平成六年の一部改正により新設された規定であり、外国語書面出願の外国語書面及び外国語要約書面の補正について規定したものである。出願日に提出された外国語書面は、出願日における発明の内容を記載した書面としての位置付けを有するものであり、その後の補正により記載内容が変更されることは適当でない。
また、外国語書面出願の出願人は、その後提出した翻訳文が願書に添付した明細書等とみなされ、それを補正することにより、外国語書面に記載した事項の範囲内において適切な権利を取得することが可能である。このため、外国語書面及び外国語要約書面については補正をすることができないこととした。

3 最後の拒絶理由通知に対して、特許請求の範囲について誤記の訂正のみを目的とする補正がなされた場合、審査官は補正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかを判断し、当該発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるときには、決定をもってその補正を却下しなければならない。
× 17条の2第6項
 六項は、前項二号の特許請求の範囲の補正について、一二六条七項(訂正審判)の規定を準用することにより、補正後の発明が独立して特許を受けることができるものであることを要件とすることを規定したものである。なお、平成一四年の一部改正において、三六条二項の「明細書」から「特許請求の範囲」が分離されたことに伴い、本条にも同様の修正が加えられた。

4 外国語書面出願において、誤訳訂正書により明細書、特許請求の範囲又は図面の補正をした後、最初の拒絶理由通知を受けた。このとき、手続補正書により明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができるのは、誤訳訂正書により補正された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする場合に限られる。
× 17条の2第3項かっこ書
 誤訳訂正書により明細書、特許請求の範囲又は図面の補正をして、最初の拒絶理由通知を受けた後、手続補正書により補正をすることができるのは、翻訳文に記載した事項の範囲内、又は誤訳訂正書により補正された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内である。

5 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲に発明イ及び発明ロが記載されている特許出願について、出願審査の請求と同時に発明イに係る請求項を削除する補正をした。その後、最初の拒絶理由通知を受けた場合、発明ロに係る請求項を削除して、発明イに係る請求項を加える補正をすることができる。ただし、発明イと発明ロは特許法第37条に規定する発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当する。
○ 17条の2第3項
 最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならない。よって最初に書いてあるからOK


【特許・実用新案】7 *177
特許無効審判又は延長登録無効審判に関し、以下の(イ)~(ニ)のうち、正しいものは、いくつあるか。

(イ) 特許無効審判の請求人は、特許を無効にすべき旨の審決に対する訴えを提起することができる期間内であっても、特許権者が東京高等裁判所に当該審決に対する訴えを提起した場合でなければ、当該審判の請求を取り下げることができない。
× 155条1項・2項
 審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる(1項)。
 また、審判の請求は、134条1項の答弁書の提出があった後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない(2項)。

(ロ) 延長登録無効審判の請求人は、請求書の補正において、新たな延長登録の無効理由を追加することができる。
○ 131条の2第1項柱書・1号

(ハ) 特許無効審判において、請求人が請求の理由の要旨を変更する補正を行った場合、審判官の合議体は、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかであると認めるときは、当該補正を許可することがある。
× 131条の2第2項
 要旨変更補正を許可するのは「審判長」であって、「審判官の合議体」ではない。
 二項には、要旨を変更する請求の理由の補正を例外的に認めるに際しての審判長の補正許可の根拠規定を定めた。補正許可については、審判請求人が早期に全ての無効理由を提出するインセンティブを失うことなく、審理する価値のある無効理由のみを追加的に採用することができることを基本的な考え方とし、その補正許可の要件は、一般的には、その補正が、不当に審理を遅延させないこと、合理的理由があること、特許権者の同意があることとした。他方、訂正請求がなされた場合には、特則として特許権者の同意を求めないこととした。これは、訂正請求によって特許請求の範囲等に変更がある場合、それに応じて新たに無効理由を追加することは原則として合理的であり、また、特許権者による訂正請求に起因して無効理由が追加されることから、訂正請求をすることをもって特許権者の同意があったものと擬制することが可能であるからである。
条文の構成として、二号は一般的な要件を示し、また、一号に特則として訂正請求がなされた場合の要件を示した。
補正許可の第一の要件である「不当に審理を遅延させないこと」については、本項一号及び二号に共通する要件として本文中に規定した。
なお、審判長が補正許可を「することができる」とするのは、要旨変更にわたる補正をすることは当事者の権利ではなく、審判長の裁量権に服するものであることを明示するためである。

(ニ) 特許無効審判は、審決、審判請求の取下げ、又は請求の放棄のいずれの事由によっても終了する。
× 157条
 157条:審決があったときは、審判は終了する。
 155条:審判の請求が取り下げられたときは、審判は終了する。
請求の放棄によっては終了しない。

 157条:本条は、審決について規定したものである。一項は審決によって審判が終了する旨の規定である。審判は審判請求によってし、原則として審決によって終了するが、例外的に審決によらないで終了する場合がある。審判請求の取下げがこれである。民事訴訟では判決によらない裁判の終了原因として、裁判上の和解、請求の放棄、認諾等があげられるが、これは民事訴訟がいわゆる当事者主義によっていることの反映である。職権による審理が行われ当事者の自由な処分が認められない特許審判では、このような終了事由は存在しない。審判が審決によって終了するかどうかは無効審判の費用の負担の決定方法において差異を生ずる(一六九条)。
二項は審決の記載事項について規定したものである。旧法においては施行規則で規定されていたが、審決の重要性に鑑み法律で規定することとした。旧施行規則六三条は「審決ノ主文及理由」としたが、「主文」を「結論」という語に改めた。なお、平成八年の民事訴訟法の改正に伴い、判決書に裁判官が署名捺印する部分については、判決の作成に際
しての方式を規定するものであり、手続の細目であることから規則事項となったが、特許法においてもこれと同様に本条二項における審決書に審判官が記名押印する部分を省令事項とすることとした。

 

弁理士 短答 H28 特許1〜4

【特許・実用新案】1*305
特許法に規定する罰則に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

1 特許に係る物以外の物又はその物の包装に、特許表示を付した者は、過料に処せられる。
× 188・1、198
 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金処する。

特許権の侵害の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
× 196

特許法第101条の規定により特許権を侵害する行為とみなされる行為を行った者につ
いては、特許権を侵害した者に対する罰則規定と同一の罰則規定が適用される。
×

4 秘密保持命令違反の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

5 秘密保持命令違反の罪は、これを日本国外において犯した者には適用されない。
× 200の2・3


【特許・実用新案】2 *311
実用新案登録出願及び実用新案登録に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。

(イ) 特許出願人は、特許出願の日から9年6月を経過した後は、いかなる場合であっても、その特許出願を実用新案登録出願に変更することができない。
○ U10・1ただし

(ロ) 実用新案権者は、自己の登録実用新案に関し、実用新案法第3条第1項第1号に掲げる公然知られた考案に基づく同法第3条第2項の規定(いわゆる進歩性)に係る実用新案技術評価を請求することができる。
× U12・1
 U3・2(進歩性)に係る実用新案技術評価を請求することができるのは、U3・1・3に掲げる考案に係るものに限られる。
 U3・1・3:実用新案登録出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された考案又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった考案。

(ハ) 実用新案権が共有に係る場合、その実用新案登録についての実用新案技術評価の請求
は、共有者全員でしなければならない。
× U12.1:何人も、特許庁長官に、実用新案技術評価を請求することができる。
 よって、全員でする必要が無い。

(ニ) 実用新案権者は、実用新案登録請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、又は請求項の削除のいずれかを目的とするものでなければ、いかなる場合であっても、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができない。
○ U14の2・1、2、7

(ホ) 特許庁長官は、訂正書に添付した訂正した実用新案登録請求の範囲に記載された考案が方法に係るものであったため、相当の期間を指定して、その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面について補正をすべきことを命じたが、実用新案権者は、指定した期間内にその補正をしなかったので、その訂正を却下した。この場合、実用新案権者は、再度、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができる場合がある。
○ U14の2.7
 請求項の削除を目的とする者は回数の制限がない。


【特許・実用新案】3 *72
特許出願に関する優先権について、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、特に文中に記載した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願又は実用新案登録に基づく特許出願ではなく、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとし、文中に記載した優先権の主張は取り下げないものとし、また、国際出願についても放棄又は取下げされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとし、文中に記載した優先権の主張は取り下げないものとする。

1 甲は、発明イについて特許出願Aをすると同時に出願審査の請求をした後、出願Aの出願の日から1年以内に出願Aに記載された発明イに基づいて特許法第41条第1項の規定による優先権を主張して特許出願Bをした。その後、先の出願Aについて特許をすべき旨の査定の謄本が送達された。この場合、先の出願Aについて特許法第107条第1項の規定による第1年から第3年までの特許料の納付をしなければ、出願Aは、出願Aの出願の日から特許法第42条第1項に規定する経済産業省令で定める期間を経過した時に取り下げたものとみなされる。
× 特42条1項ただし書
 42条1項では、41条1項の規定による優先権の主張の基礎とされた先の出願は、その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過したときには取り下げたものとみなす。ただし、当該先の出願が放棄、取り下げ、却下、先の出願について査定若しくは審決が確定している場合、当該先の出願について実14条2項に規定する設定の登録がされている場合又は先の出願に基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、この限りでない。
 よって、Aは査定の謄本が送達されているため、特許料の納付の有無に関係なく、取り下げられたものとみなされることはない。

2 甲は、日本国に出願する発明イ及び発明ロについての特許出願Aにおいて、甲がパリ条約の他の同盟国でした先の特許出願Bに記載された発明イと、甲が日本国でした先の特許出願Cに記載された発明ロとに基づいて、パリ条約第4条の規定による優先権と、特許法第41条第1項の規定による優先権とを、併せて主張することができる場合がある。
○ 併せて主張することは可能。

特許法第41条第1項の規定による優先権を主張して特許出願をする場合、先の出願が特許法第44条第1項の規定による特許出願の分割に係るもとの特許出願であるときは、当該先の出願に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる場合はない。
× 元の出願には優先権の主張ができないなどの規定はない。

4 甲は、発明イについて日本及び米国を指定国とする国際出願Aをした後、1月後に指定国日本に国内移行手続をした。その後甲は、出願Aの国際出願日から1年以内に、発明イ及び発明ロについて、出願Aに基づく優先権を主張して、日本及び米国を指定国とする国際出願Bをした。甲は、出願Bについて、出願Aの国際出願日から2年6月以内に指定国日本に国内移行手続をした場合、先に国内移行手続をした出願Aに係る国際特許出願は、当該国際特許出願の出願の日から特許法第42条第1項に規定する経済産業省令で定める期間を経過した時に取り下げたものとみなされる。
× PCT8条(2)(a)
 国際出願に基づく優先権を主張して、国際出願を行っているので、優先権の主張の条件及び効果は、工業所有権の保護に関するパリ条約のストックホルム改正条約第4条の定めるところによる。

5 甲は、発明イについて特許出願Aをした後、出願Aの出願の日から1年以内に出願Aに記載された発明イに基づいて特許法第41条第1項の規定による優先権を主張して、発明イ及び発明ロについて特許出願Bをしたところ、出願Bについて特許権の設定登録がされた。その後、特許発明イの実施が継続して3年以上日本国内において適当にされていない場合であって、出願Aの出願の日から4年を経過していれば、特許発明イの実施をしようとする者は、甲に対し特許法第83条第1項(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)に規定する通常実施権の許諾について、いつでも協議を求めることができる。ただし、特許発明イに係る特許権は存続しているものとする。
× 特41条2項
 優先権の主張を伴う特許出願に係る発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面に記載された発明について、特41条2項に挙げられている規定の適用については、当該特許出願は、当該先の出願の時にされたものとみなす。
 不実施の場合は通常実施権の設定の裁定(特83条1項)は、特41条2項で規定されていないので、出願Bのときにされたものと考えられる。
 よって出願Bの出願日から4年経過していなければ、協議を求められない。


【特許・実用新案】4
特許権の侵害に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。

(イ) 裁判所は、特許権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害行為について立証するため必要な検証の目的の提示を命ずることができる。ただし、その検証の目的の所持者においてその提示を拒むことについて正当な理由があるときは、この限りでない。
○ 105条1項、同4項

(ロ) 物を生産する方法の発明について特許がされている場合において、その物が特許出願前に日本国内及び外国のいずれにおいても公然知られた物でないときに限り、その物と同一の物は、その方法により生産したものと推定される。
× 104条
 日本国内についての場合のみ・・

(ハ) 特許権の侵害に係る訴訟における当事者が、その侵害の有無についての判断の基礎となる事項であって当事者の保有する営業秘密に該当するものについて、当事者本人として尋問を受ける場合においては、裁判所は、裁判官の全員一致により、決定で、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる場合がある。
○ 105条の7
 

(ニ) 特許が物を生産する方法の発明についてされている場合において、その方法により生産した物を業としての貸渡しのために所持する行為は、特許権を侵害する行為とみなされる。
○ 101条6号
 特許が物を生産する方法の発明についてされている場合において、その方法により生産っした物を業としての譲渡等又は輸出のために所持する行為を特許権又は専用実施権を侵害するものとみなす。
 譲渡等とは、譲渡及び貸渡しをいう。(2・3・1)

(ホ) 特許法には、特許権の侵害に係る訴訟において、職権により、裁判所が当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならないとの明文規定がある。
× 105条の2
 特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟において、「当事者の申立てにより」、裁判所が当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない。
 職権による同項が適用されることはない。

弁理士 短答 H29 著作不競1〜10

著作権法不正競争防止法】1
著作物に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。

1 日本国民の著作物は、日本国内で発行されない限り、わが国の著作権法による保護を受けることはできない。

2 一般的な注文住宅も、通常加味される程度の美的創作性を備えていれば、建築の著作物として保護される。

3 応用美術作品は、美術工芸品を除き、美術の著作物として保護されない。

4 小説をもとに漫画が作成され、その漫画をもとに映画が作成された場合、それらのストーリーが同じであるときには、映画は漫画の二次的著作物とはなるが、小説の二次的
著作物とはならない。

5 ある県の県庁が作成した条例に関するデータベースは、情報の選択又は体系的構成に
創作性があれば、著作物として保護される。

著作権法不正競争防止法】2
著作隣接権に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。

1 放送局甲が放送した放送番組を放送局乙が受信して再放送した場合、放送局乙は、再放送につき著作隣接権を取得する。
○ 99条
 乙は、放送事業者であり、自ら行った放送であれば、それが甲の放送番組の再放送であっても、再放送権を有する。

2 レストランの経営者甲が、その店舗内において、歌手乙の歌唱が収録された市販の音楽 CD を再生し、客に聴かせる行為は、乙の著作隣接権を侵害する。
× 実演家は著作者でないため、演奏権に相当する権利を有しない。

3 映画会社甲が、レコード会社乙の許諾を得て、乙の録音した音源を甲の製作する映画に収録した場合には、甲は、乙の許諾を得ることなく、当該音源を収録した映画のサウンドトラック盤 CD を作成し、販売することができる。
× 乙の複製権を侵害する。

音楽配信事業者甲は、市販の音楽 CD に録音された乙の歌唱を、乙の許諾を得ることなく、インターネット上で配信することができる。
× 乙の送信可能化権を侵害する。

5 有線放送局甲は、その学校教育向けの放送番組において、放送局乙が放送した放送番組を、乙の許諾を得ることなく、学校教育の目的上必要な範囲で、有線放送することができる。
× 教育番組については最新の法規を確認

著作権法不正競争防止法】3
著作権及び出版権について、次のうち、最も適切なものは、どれか。

1 匿名で小説を出版した小説家が、その出版後 50 年を経過した後に、本名を著作者名として出版した場合、その小説の著作権は、著作者の死後 50 年間存続する。
× 52条
 無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後70年を経過するまでの間、存続する。

2 会社の従業員が職務上作成したプログラムであって、会社によって秘密管理され、その作成後 50 年間公表されなかったものの著作権の存続期間は、作成後 50 年である。
○ 15条2項、53条1項かっこ書

3 相続人のいない個人の著作権者が死亡した場合、その著作権は国庫に帰属する。
× 消滅する

4 出版社が小説家から小説の複製について出版権の設定を受けた場合、出版社は、小説家の承諾を得ることなく、他の出版社に当該小説の複製について許諾を与えることができる。
× 80条3項
 出版権者は、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、他人に対し、その出版権の目的である著作物の複製又は公衆送信を許諾することができる。

著作権者から著作物の利用の許諾を受けた者は誰でも、その許諾の範囲内において、違法に著作物を利用する者に対して利用行為の差止めを請求することができる。
× 112条1項


著作権法不正競争防止法】4
著作者人格権に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。

1 コンピュータ・プログラムの著作物を工業製品の一部に組み込む場合に著作者の表示を省略することは、仮に著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないとしても、当該著作者の氏名表示権の侵害となる。
×

2 公表された論文の書誌情報を蓄積したデータベースにおいて、論文の著作者として誤った氏名を表示することは、当該論文の著作者の氏名表示権の侵害となる。
×

3 小説を教科用図書に掲載する際に、不適切な差別用語を直すことは、学校教育の目的上やむを得ない場合であっても、小説家の同一性保持権の侵害となる。
×

4 未公表の小説を原著作物とする二次的著作物の漫画作品について、原著作者である小説家の同意なく公表する行為は、当該小説家の公表権の侵害となる。

5 未公表の著作物である工場建設の設計図を行政機関に提出した場合、行政機関が情報公開制度に基づいて当該設計図を公衆に提供することは、当該設計図の著作者の公表権の侵害となる。
×
著作権法不正競争防止法】5
著作権に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。

1 適法に販売された漫画作品の複製物について、その中古本を仕入れた古書店が顧客を相手にそれを販売する行為は、譲渡権の侵害になる。
× 26条の2第2項1号 
 譲渡権は、譲渡権を有する者により公衆に譲渡された著作物の複製物の譲渡には及ばない。
 よって漫画の複製物を中古本として販売する行為には、譲渡権は及ばない。

2 適法に販売された漫画作品の複製物について、その中古本を仕入れた古書店が顧客を相手にそれを貸与する行為は、貸与権の侵害にならない。
× 26条の3
 著作者は、その著作物をその複製物の貸与により公衆に提供する権利を専有する。

3 購入した音楽 CD をパソコンのハードディスクに私的使用の目的で複製した後、その複製物を保存したままで、当該音楽 CD をインターネット・オークションによって公に譲渡した場合、複製権侵害とみなされる。
×

4 頒布権を有する者から許諾を得て公に販売された家庭用テレビゲーム機用ゲームソフトの複製物について、その所有者から当該複製物を譲り受けた業者が、顧客を相手にそれを譲渡することは、頒布権の侵害になる。
× 最高裁判例H14,4,25
 家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著作物の複製物の譲渡は一旦適法に譲渡されると消尽する。

5 頒布権を有する者から許諾を得て公に販売された家庭用テレビゲーム機用ゲームソフトの複製物について、その所有者から当該複製物を譲り受けた業者が、顧客を相手にそれを貸与することは、頒布権の侵害になる。
○ 最高裁判例H14,4,25
 貸与に関しては権利が消尽しない。

著作権法不正競争防止法】6
食品会社である甲社は、独自に開発したスパイスの製造方法Aを秘密管理しており、製造方法Aは公然と知られていない。不正競争防止法上の不正競争に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。

1 乙が、甲社の従業員を強迫して、製造方法Aを聞き出した。乙がその情報を丙に開示する行為は、丙に秘密保持義務を課している限り、不正競争とならない。
×

2 乙が、甲社の従業員を強迫して製造方法Aを聞き出し、その方法を使ってスパイスを製造する行為は、そのスパイスを販売しない限り、不正競争とならない。
×

3 乙は、甲社の工場に無断で侵入し、商品庫に保管されていたスパイスを窃取した。そのスパイスが、製造方法Aを使用して製造された物である場合、甲社は、乙が当該スパイスを第三者に譲渡する行為を差し止めることができる。
× スパイス自体は営業秘密には該当しない。

4 甲社の従業員乙は、秘密保持契約に基づき、甲社から製造方法Aの開示を受けた。乙は、その情報を丙に開示した。乙に、不正の利益を得る目的や、甲社に損害を加える目的がない場合であっても、乙の開示行為は不正競争となる。
× 2.1.7

5 甲社の従業員乙は、秘密保持契約に基づき、甲社から製造方法Aの開示を受けた。乙は、その情報を丙に開示した。丙が、乙が秘密保持義務に違反して開示していることを知っていた場合には、丙の取得行為は不正競争となる。
○ 2.1.8


著作権法不正競争防止法】7
不正競争防止法上の不正競争に関し、次のうち、最も不適切なものは、どれか。

1 甲は、乙社に対し、映画の DVD に付されたコピープロテクションを回避するための装置を有償で譲渡した。乙社が、コピープロテクションの研究のためにその装置を入手した場合は、乙社が営利会社であっても、甲の行為は、不正競争とならない。

2 甲が販売している装置が、映画の DVD に付されたコピープロテクションを回避することを可能とする機能を有している場合であっても、それ以外の機能も有している場合には、甲の当該装置の販売行為は、不正競争とならない。
×

3 甲は、映画の DVD に付されたコピープロテクションを回避することのみを可能とするプログラムを作成した。甲が、そのプログラムを無料で少数の友人のみに譲渡した場合であっても、甲の譲渡行為は、不正競争となる。

4 甲社が、乙社が脱税しているという情報を乙社の経理責任者から得て、乙社の顧客に告知した。甲社が、その情報が真実であると確信していた場合であっても、実際には虚偽であったときは、甲社の行為は、不正競争となる。

「虚偽の事実」=「客観的事実に反する事実」

5 甲社が、乙社の周知なロゴマークを付したボールペンを製造し、自らの顧客に無償で提供した。そのボールペンが乙社の商品であるとの誤認を生じさせるときは、甲社の行為は、不正競争となる。
○ 有償・無償を問わない。


著作権法不正競争防止法】8
不正競争防止法上の不正競争に関し、次のうち、最も不適切なものは、どれか。

1 甲社が、自社の製造・販売するエアコンに「消費電力が従来よりも約 50%減少」という表示を付して販売した。甲社の実験において、消費電力の減少の事実は確認されたが、減少率が約 20%でしかなかった場合、甲社の行為は不正競争となる。

2 甲社が、乙社の無添加化粧品には着色料・保存料が使用されているという虚偽の事実を、自社の販売する化粧品のパンフレットに掲載して頒布した。甲社が、乙社に損害を与える目的で行った場合であっても、甲社の行為は、不正競争防止法上の刑事罰の対象とならない。
○ 2・1・15に該当するが、21の罰則行為に該当しない。

3 甲社が、自社の製造・販売するスピーカーの広告に、著名な音楽評論家が長年愛用していると記載する行為は、それが虚偽の事実である場合でも、商品の品質に関する表示ではないため、不正競争とならない。
× 2・1・14に該当
  
4 甲社の営業秘密を乙が窃取し、九州地方のみで使用することを条件に、これを丙に開示した。開示のとき、丙が、その情報が窃取された営業秘密であることを知らず、かつ知らなかったことにつき重大な過失がなかった場合、後にそのことを知ったとしても、九州地方で使用している限り、丙の使用行為は、不正競争とならない。
○ 2・1・6 、 19・6

5 甲社の従業員である乙が、金銭を得る目的で、甲社の営業秘密が記載された文書を複製し、その複製物を丙社に売り渡した。甲社からの告訴がない場合であっても、乙の行為は、不正競争防止法上の刑事罰の対象となる。
○ 21.1.4に該当。
 2.1.4は非親告罪となっている。

著作権法不正競争防止法】9
不正競争防止法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。

1 他人の商品表示を使用することによって、他人の商品と混同を生じさせるか否かは、消費者ではなく、競業事業者が混同するかどうかを基準として判断される。
× 最判昭和58年10月7日
 商品等表示の判断基準について、取引者・需要者を基準とする

不正競争防止法のいわゆる周知な商品等表示に該当するためには、全国的に広く認識されている必要がある。
×

3 商品に他人の著名な商品等表示を付したが、まだその商品を販売していない場合は、不正競争とならない。
× 2・1・2
 使用する行為自体アウト

4 非営利事業を行っている他人の周知な商品等表示を使用して、その他人の役務提供との混同を生じさせる行為は、不正競争となる。
○ 非営利でも関係ない

5 不正の利益を得る目的で、他人の商品等表示と同一または類似のドメイン名を使用する権利を保有しているが、実際に使用していない場合には、不正競争とならない。
× 保有する行為は、不正競争となる。


著作権法不正競争防止法】10
不正競争防止法に関し、次のうち、最も不適切なものは、どれか。

1 裁判所の秘密保持命令に違反して、その対象となった営業秘密を使用する行為は、刑事罰の対象となる。

2 不正競争行為により他人の営業上の信用を害した者に対して、裁判所は、当該行為が過失による場合であっても、その信用を回復するのに必要な措置を命じることができる。
○ 過失でも措置を命ずることができる。

3 外国の国旗と類似のものを商標として使用した商品を販売したとしても、刑事罰の対象にはならない。
×

4 他人の著名な商品表示を付した商品を販売する者に対し、当該行為により営業上の利益を侵害された者は、当該商品の販売差し止めとともに、その廃棄を請求することもできる。
○ 3.2

5 非営利事業を行う者であっても、他人の不正競争行為によりその信用を害された場合には、当該行為の差止めを請求することができる。
○ 3.1v

弁理士 短答 H29 条約10

【条約】10
知的所有権の貿易関連の側面に関する協定における不正商標商品又は商標の不正使用に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

1 加盟国の司法当局は、不正商標商品については、いかなる場合でも、違法に付された商標の単なる除去により流通経路への商品の流入を認めることができる。
× 46条:
 加盟国の司法当局は、不正商標商品については、「例外的な場合を除くほか」、違法に付された商標の単なる除去により流通経路への商品の流入を認めることはできない。

2 加盟国は、特に、不正商標商品の貿易に関して、司法当局間で情報の交換及び協力を促進しなければならない。
× 69条
 加盟国は、特に、不正商標商品及び著作権侵害物品の貿易に関して、「税関当局間」で情報の交換及び協力を促進する。

3 加盟国は、不正商標商品が輸入されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が、当該商品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう、行政上又は司法上の権限のある当局に対し書面により申立てを提出することができる手続を採用しなければならない。
○ 51条
 加盟国は、不正商標商品又は著作権侵害物品が輸入されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が、これらの物品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう、行政上又は司法上の権限のある当局に対し書面により申立てを提出することができる手続きを採用する。

4 加盟国の権限のある当局は、不正商標商品については、いかなる場合でも、変更のない状態で侵害商品の積戻しを許容し又は異なる税関手続きに委ねてはならない。
× 59条 
 不正商標商品については、「例外的な場合を除くほか」、当該権限のある当局は、変更ない状態で侵害商品の積戻しを許容し又は異なる税関手続に委ねてはならない。

5 加盟国は、故意か過失かを問わずに、商業的規模の商標の不正使用について適用される刑事上の手続及び刑罰を定めなければならない。
× 「少なくとも故意による」v

弁理士 短答 H29 条約9

【条約】9
知的所有権の貿易関連の側面に関する協定における特許及び意匠に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。

1 一定の条件の下で発明地について差別することなく、特許が与えられ、及び特許権が享受されることが規定されている。しかし、一定の条件の下で創作地について差別することなく、意匠の保護が与えられ、及び意匠権が享受されることは規定されていない。
○  27条(1):一定の条件の下で、発明地について差別することなく、特許が与えられ、及び特許権が教授される。
  *意匠権には享受されることが規定されていない。

2 一定の条件の下で、加盟国は、第三者の正当な利益を考慮し、特許により与えられる排他的権利について限定的な例外を定めることができることが規定されている。しかし、一定の条件の下で、加盟国は、第三者の正当な利益を考慮し、意匠の保護について限定的な例外を定めることができることは規定されていない。
×  30条:一定の条件の下で、加盟国は、第三者の正当な利益を考慮し、特許により与えられる排他的権利について限定的な例外を定めることができる。
 *意匠にも同様の規定あり(26条(2)) 

3 一定の条件の下で、加盟国は、公の秩序又は善良の風俗を守ることを目的として、商業的な実施を自国の領域内において防止する必要がある発明を特許の対象から除外することができることが規定されている。しかし、一定の条件の下で、加盟国は、公の秩序又は善良の風俗を守ることを目的として、商業的な実施を自国の領域内において防止する必要がある意匠を意匠の保護の対象から除外することができることは規定されていない。
○ 27条(2) 意匠には同様の規定はなし

4 特許は、排他的権利として、特許の対象が物である場合に、特許権者に特許権者の承諾を得ていない第三者による当該物の販売の申出を防止する権利を与えることが規定されている。しかし、保護されている意匠の権利者は、その承諾を得ていない第三者が、保護されている意匠の複製又は実質的に複製である意匠を用いており又は含んでいる製品を商業上の目的で販売の申出をすることを防止する権利を有することは規定されていない。
○ 26条1、28条1a

5 特許を取り消し又は特許権を消滅させる決定については、司法上の審査の機会が与えられることが規定されている。しかし、意匠の保護を取り消し又は意匠権を消滅させる決定については、司法上の審査の機会が与えられることは規定されていない。
○ 32条

弁理士 短答 H29 条約8

【条約】8
パリ条約のストックホルム改正条約(以下「パリ条約」という。)に関し、次の(イ)~(ニ)
のうち、正しいものは、いくつあるか。

(イ) 同盟国の国民が各同盟国において出願した特許は、同盟国であるか否かを問わず、他
の国において同一の発明について取得した特許から独立したものとされ、優先期間中に
出願された特許は、無効又は消滅の理由について独立のものとされる。
〇 4条の2、1と2

(ロ) 同盟国の国民がいずれかの同盟国において登録出願した商標については、本国におい
て登録出願、登録又は存続期間の更新がされていないことを理由として登録が拒絶され
又は無効とされることはなく、いずれかの同盟国において正規に登録された商標は、他
の同盟国(本国を含む。)において登録された商標から独立したものとされる。
〇 6条(2)(3)

(ハ) パリ条約の同盟国Xにおいて、物の製造方法の発明についての特許権が国内で当該製
造方法で製造された物の販売行為に及ぶ旨を規定した国内法令がある場合、甲がある物
の製造方法についての同盟国Xにおける特許権者であり、当該物の製造方法でY国にお
いて製造され同盟国Xに輸入された物を、乙が同盟国Xで販売しているとき、甲の前記
特許権は乙の販売行為についても及ぶ。
〇 5条の4

(ニ) 不法に商標又は商号を付した産品は、その商標又は商号について法律上の保護を受け
る権利が認められている同盟国に輸入される際に差し押えられるが、差押えは、産品に
不法に商標若しくは商号を付する行為が行われた同盟国又はその産品が輸入された同盟
国の国内においても行われる。
〇 9条1.2

弁理士 短答 H29 条約7

【条約】7
パリ条約のストックホルム改正条約(以下「パリ条約」という。)における優先権に関し、次の(イ)~(ニ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
ただし、特に文中に示した事項を除き、パリ条約による優先権主張の要件は満たされているものとする。

(イ) いずれかの同盟国において、特許出願もしくは実用新案、意匠もしくは商標の登録出願をした者又はその承継人は、他の同盟国において出願をすることに関し、所定の期間中優先権を有するが、優先権の主張の基礎となる出願は、正規の国内出願である必要がある。したがって、出願後に当該出願が拒絶され、又は、放棄がされた場合は、優先権が消滅する。
× パリ4条A1.3
 いずれかの同盟国においてセイキに特許出願若しくは実用新案、意匠若しくは商標の登録出願をした者又はその承継人は、他の同盟国において出願することに関し、所定の期間中優先権を有する(パリ4条A1)。ここで、正規の国内出願とは、結果のいかんを問わず、当該国に出願をした日付を確定するために十分な全ての出願をいう(パリ4条A3)。

(ロ) 出願人甲によるパリ条約の同盟国Xに出願された最初の特許出願Aと同一の対象について同盟国Xにおいてされた出願人甲による後の特許出願Bは、出願Aが、公衆の閲覧に付されないで、かつ、いかなる権利をも存続させないで、出願Bの出願の日までに取り下げられ、放棄され、又は拒絶の処分を受けたこと、及び出願Aがまだ優先権の主張の基礎とされていないことを条件として、パリ条約第4条C(2)にいう最初の出願とみなされる。
〇 パリ4条C4
一対国先閲権後取優
 同一の対象、同一の同盟国、先の出願が閲覧付されず・いかなる権利をも存続させないで、後の出願の日までに取り下げられず、優先の基礎にもなっていない。

(ハ) 優先権の利益を受けることができる者は、同盟国の国民でない場合、いずれかの同盟国の領域内に住所又は現実かつ真正の営業所を有することに限られず、いずれかの同盟国に対して何らかの関与があれば足りる。
× 4条A1、3条
 同盟国の国民
(同盟国の領域内に住所又は現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有する者のみ)

(ニ) 同盟国Xにおいてされた後の特許出願について、同盟国Yにおいてされた先の出願により、優先権の主張の効果が生じるためには、優先権の主張がされた発明の構成部分につき、当該先の出願に係る出願書類の全体により当該構成部分が明らかにされていれば足り、請求の範囲に記載されている必要はない。
〇 4条H