海外駐在におけるマインドセット ~Alco President~

自己紹介分 :20代の法務知財担当サラリーマンです。国立大学修士課程修了後、グローバルメーカーへ入社し、知財業務に従事し、20代で米国駐在。本サイトでは、海外駐在員になるためのノウハウ、また日々学んだことを紹介していきます。

弁理士 短答 H28 特許12〜15

【特許・実用新案】12 *159
特許異議の申立てに関し、次の(イ)~(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。

(イ) 外国語書面出願において、誤訳訂正書によらず、手続補正書を提出してなされた明細書の補正が、当該出願の願書に添付した外国語書面に記載した事項の範囲内においてなされたものであるが、当該外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内においてなされたものではないときは、そのことを理由として、当該出願に係る特許を取り消すべき旨の決定がなされることはない。
○ 113条1項1号かっこ
 かっこ書きで外国語書面出願は除かれている。

(ロ) 同一の特許権に係る二以上の特許異議の申立てについては、その審理は、特別の事情がある場合を除き、併合することができると特許法に規定されている。
× 120条の3第1項 正確には「併合するものとする」

(ハ) 請求項ごとに特許異議の申立てがされた場合であって、一群の請求項ごとに特許法第120条の5第2項の訂正の請求がされた場合、特許異議の申立てについての決定は、当該一群の請求項ごとに確定する。
○ 120条の7第1号そのまま

(ニ) 審判長は、特許異議の申立ての事件が決定をするのに熟した場合において、取消決定を予告するために、取消しの理由を通知することはできない。
× 審判長は、特許異議申立ての事件が決定をするのに熟した場合は、「決定の予告」としての「取消理由通知」を行う運用とすることとし、無効審判のように特段の規定は設けないこととした。

(ホ) 審判長は、指定した期間内に特許法第120条の5第2項の訂正の請求があった場合において、訂正請求の内容が実質的に判断に影響を与えるものではないときであっても、同条第1項の規定により通知した特許の取消しの理由を記載した書面並びに訂正の請求書及びこれに添付された訂正した明細書、特許請求の範囲等の副本を特許異議申立人に送付し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
× 120条の5第5項ただし
 

【特許・実用新案】13 *59
特許出願に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
ただし、特に文中に記載した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際特許出
願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願又は実用新案登録
に基づく特許出願ではなく、放棄、取下げ又は却下されておらず、いかなる優先権の主張
も伴わないものとする。

1 発明イについて特許を受ける権利を有する者甲が試験を行うことにより、発明イが日本国内において公然知られるに至った後、乙が、独自にした同一の発明イについて特許出願Aをした。出願Aの出願の日後、甲が発明イについて特許法第30条第2項及び第3項(新規性の喪失の例外)に規定する要件を満たした特許出願Bをしたとき、出願Bは、出願Aを先願とする同法第39条第1項(先願)の規定に違反せず、かつ、出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願とする同法第29条の2の規定に違反する場合がある。

 乙が行った出願Aに係る発明イは、特29条1項1号違反の拒絶理由を有するため、拒絶査定が確定すると、出願Aは先願の地位を有さない(39条5項)。よって39条1項違反では拒絶されない。
 次に29条の2部分。
出願Aは出願Bの出願の日前の他の出願であり、出願Aの発明イと出願Bの発明イは同一の発明である。また、出願Aと出願Bは出願人、発明者は同一ではない。よって、29条の2で拒絶される。

2 特許を受けようとする者は、特許を受けようとする旨が願書に明確に表示され、かつ、
特許出願人の氏名又は名称が特許出願人を特定できる程度に願書に明確に記載されているときは、当該願書に明細書及び必要な図面を添付することなく、その者がした特許出願を参照すべき旨を主張する方法により、特許出願をすることができる。
○ 38条の2、38条の3

3 明細書に記載すべきものとされる事項を特許法第36条の2第1項の経済産業省令で定める外国語で記載した書面を願書に添付して提出した外国語書面出願について、特許法第38条の2第1項の規定により特許出願の日が認定された場合であっても、願書に添付した外国語書面の日本語による翻訳文を提出することができる期間内にその提出がされなければ、その特許出願について出願公開はされない。
ただし、翻訳文を提出することができなかったことについて、出願人に正当な理由はなかったものとする。
○ 36条の2第2~5項
 特許庁長官は、特36条の2第2項に規定する期間内に同項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文の提出がなかったときは、外国語書面出願の出願に対し、その旨を通知しなければならない(36条の2第3項)。
 当該通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、当該翻訳文を提出することができる(36条4項)。また、4項に規定する期間内に外国語書面の翻訳文の提出がなかったときは、2項本文に規定する期間の経過の時に取り下げられたものとみなす(5項)。
正当な理由はないため、6項は考慮する必要がない。
 よって、5項の規定により、2項本文に規定する期間の経過の時に取り下げられたものとみなされるため、出願公開はされない。よって○

4 外国語書面出願において、外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文の提出をしなければ、当該外国語書面出願について出願審査の請求をすることはできない。
× 翻訳文を提出しなければ、出願公開は請求できないが(64条の2第1項3号)、出願審査の請求はできる(48条の3)

5 外国語書面出願において、特許庁長官は、その特許出願の日から1年4月以内に外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文が特許庁長官に提出されていないことについて出願人に通知する場合、当該出願人が遠隔又は交通不便の地にある者であっても、経済産業省令で定める当該翻訳文の提出のための期間を特許法第4条の規定により延長することはできない。
○ 4条には記載の内容が規定されていないので、延長はできない。

【特許・実用新案】14 *229
特許法又は実用新案法に規定する再審に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、誤っているものは、
いくつあるか。
(イ) 無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入した当該登録実用新案に係る物品には、及ばない。
○ 実44条1項

(ロ) 拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審において、審判官は、当事者が申し立てない理由についても、審理することができる。
× 174条2項で特153条不準用

(ハ) 特許異議の申立てにおける確定した取消決定に対しては、参加人は、特許権者とともにする場合でなければ、再審を請求することができない。
× 171条1項 当事者又は参加人は、請求できる。

(ニ) 無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権
の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前において、善意に、当該登録実用
新案に係る物品を輸出のために所持した行為にも、及ぶ。
× 実44条2項3号

(ホ) 審判の請求人は、法律により審決に関与することができない審判官がその審決に関与
したことを、その審決の確定後に知ったときは、そのことを理由として、確定審決に対
して再審を請求することができる。
○ 171条2項で準用する民訴338条1項・2項

【特許・実用新案】15 *3
次の一文は、旧特許法(大正10年法律第96号)第32条について判示した最高裁判所の判決の一部である。原文の漢数字を算用数字に改めたほか、一部を空白AαAとしてある。
なお、旧特許法32条は、現行の特許法第25条に相当する。判決の引用文中「其ノ者ノ属
スル国」とある箇所は、現行の「その者の属する国」に相当する。
「旧特許法(大正10年法律第96号)第32条は、外国人の特許権及び特許に関する権利の享
有につきAαAを定めたものであるが、同条にいう『其ノ者ノ属スル国』はわが国によ
って外交上承認された国家に限られるものではなく、また、外交上の未承認国に対し右
AαAの適用を認めるにあたってわが国政府によるその旨の決定及び宣明を必要とする
ものでもないとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違
法はない。」
次のAからDまでは、前述の「原判決」の理由のある段落の文章を順不同に並び替えた
ものである。AαAに入る語句と、次のAからDまでを正しい順序に並び変えたものの組
合せとして正しいものは、次の1から5のうち、どれか。
A この点に関し、被告は、未承認国に対し右AαAの適用が認められるにはわが国政府
によるその旨の決定、宣明が必要であると主張するが、わが実定法規はかような手続要
件につきなんらの規定を設けていないばかりでなく、これを必要とすると解釈すべき根
拠も見出すことはできないから、たとい未承認国であつても法所定の各要件を充足して
いると認められる限り、当然にこれにつきAαAの適用があるものというべきである。
B ところで、旧商標法(大正10年法律第99号)第24条によつて準用せられる旧特許法
(大正10年法律第96号)第32条は、「〔注 条文の引用は略〕」と規定し、いわゆる
AαAを認めている。
C けだし、ある国を外交上国家として承認するか否かは外交政策上の問題たるに止まり、
その国が国家としての実質的要件、すなわち一定の領土及び人民のうえに、これを支配
する永続的かつ自立的な政治組織を具有している場合であつて、わが国民に対しても特
許権及び特許に関する権利の享有を保障するに足る法秩序が形成されている場合には、
その国の国民に対しても特許権及び特許に関する権利の享有を認めることが、AαAを
定めた同条の趣旨にそうゆえんであり、また、いわゆるパリー条約の定める平等主義の
建前からみても相当だからである。
D その立法趣旨は、特許権及び特許に関する権利の享有に関し、日本国民に対し、自国
民と同一の法律上の地位を与える国の国民に対しては、国際互譲の見地から、わが国に
おいても、日本国民と同一の法律上の地位を与えようとするものであるが、同条にいわ
ゆる「国」が、わが国によつて外交上承認された国家だけを指称するものと解するのは
相当ではない。

3 AαAは「相互主義」が入り、正しい順序はB→D→C→A